この記事では、紙もの(印刷物)のデザイナーが、インターネット・Web業界のデザイナーになるには、どのようなことを転職で準備すべきなのかがわかります。
自分はインターネット・Web業界に15年以上おりまして、様々な業態のWebサイトやアプリの制作に携わってきました。現在は業界の精鋭が集まるスタートアップ企業という、最先端の環境で働いています。
インターネット・Web業界といっても様々です。例えるなら飲食業界もピザ屋から、高級フレンチまで色々あるのと同じです。老舗もあれば、今風の最先端な会社もあります。もちろん、給料のめっちゃ低い会社から、高給な会社もあります。
他業種から転職するなら、なるべくいい環境に行きたいですよね。転職を考えるあなたのキャリアロードマップの参考になれば幸いです。
印刷系のデザイナーさんは、Web・アプリのデザインしか経験したことのないデザイナーよりデザイン力が高い人が多いです。あとは、Webやアプリの特徴を知れば、鬼に金棒ですよ。
インターネット・Web業界の実務経験がない分、ポートフォリオ工夫してつくってみよう
実務経験がない場合はアピールポイントが必要です。
この業界に長くいるりょうちんが、普段面接する立場からアイディアをご紹介します。
好きなWebサイトやアプリのトレンドを真似して作ってみよう
デザインの知識があるあなたに必要なのは、Webサイトやアプリのデザインの最新の特徴を把握することです。
- レスポンシブ・デザイン(媒体の幅に合わせて最適化するデザイン)
- Big UIなどUIのトレンド
- iOSとAndroid OSのUIの違い
などをWebやアプリのデザインの特徴を知ると、デザインの質がぐっと上がります。
好きなWebサイトやアプリをなるべく多く真似して作ってみましょう。
さらに、真似っこデザイン集をポートフォリオにして、転職活動する
さらに、真似したデザインを集めて、ポートフォリオを作りましょう。そして、各デザインのポイントだと思うレビューも添えましょう。
そうするとスキルが身につくだけではなく、面接でも話すネタになります。
ライバルと差をつけることが、より自分の希望の会社に入るポイントです。
最新のデザインツールでポートフォリオを作ろう
印刷系だと、デザインにPhotoshop、Illustrator、InDesignあたりを使っていると思います。
ただ、Webやアプリ制作だと、Sketch、XD、Figmaあたりが主流です。そのなかでどれか1つでもいいので、それでポートフォリオを作りましょう。
勉強もできて、アピールにもなって一石二鳥ですよ。
Figmaについては別の記事で詳細を載せているので、よかったらどうぞ!
より自分の希望の会社に転職するために、同じ紙もの(印刷物)デザイナーのライバルたちと差をつけましょう。
この業界のデザイナーには大きく3種類があります
インターネット・Web業界のデザイナーといっても一つの種類ではありません。それぞれ結構違うので、自分に合ったデザイナー職を目指しましょう。
主に下記の3つの種類があります。
Webデザイナー
主にWebサイトのデザインをするデザイナー。
LP(ランディング・ページ)といった1枚の広告的なページから、企業サイトやポータルサイトなどページ数の多いページなど、様々なWebサイトのデザインをするデザイナーです。
Webデザイナーに必要なスキル
- 基本的なデザインソフトのスキル
- 人を惹きつけるグラフィック・デザインのスキル
- PCとスマホページのデザイン知識
- マークアップ(HTMLやCSS)の知識があるとなお良し
UIデザイナー
WebサービスやアプリなどのUI(ユーザー・インターフェイス)を作るデザイナーです。
Webデザイナーはユーザーにより多くの人に正しく情報を伝えるデザイン能力が必要ですが、UIデザイナーはユーザーが情報を迷わず操作できるようにデザインする能力が必要です。
UIデザイナーに必要なスキル
- 基本的なデザインソフトのスキル
- 人が迷わず操作できるUIのデザインスキル
- PCとスマホページのデザイン知識
- アプリ(iOSとAndroid)のデザイン知識
- フロント・エンド(HTMLやCSSやJavaScript)の知識が有るとなお良し
UXデザイナー
UXデザイナーはこれまで紹介したデザイナー少し毛色が違います。
Webサービスやアプリのデザインをする会社で、UIデザイナーと一緒に働くことが多いです。UXデザイナーがUIデザイナーを兼ねる会社もあります。
UXデザイナーは、サービスの各機能が本当にニーズが有るのかを調査したり、人が生活の中でどのようにそのサービスを使うかとい言った、人の行動までデザインします。
ビジュアルデザインの知識以外に、調査、情報整理、心理学など、非常に幅広い知識が必要です。
りょうちんは、今まさにこのUXデザイナーとして働いています。
UXデザイナーに必要なスキル
- 定量・定性の調査スキル
- 人が迷わず操作できるUIのデザインスキル
- 画面内でどのような情報を伝えるか整理する、IA(インフォメーション・アーキテクチャ)の知識
- 行動心理学や認知心理学の知識があればなお良し
Webデザイナーはグラフィック寄りのデザイン。UIデザイナーは使いやすさのデザイン。UXデザイナーは行動のデザインです。
あなたにオススメな会社の種類
印刷系のデザイナーの方は、とにかく会社に出会いまくることが重要です。
Webデザイン未経験でもOKという会社はやはり少ないからです。
そんな中でも、オススメな会社の種類があります。
オススメな会社の種類その1:印刷物もWebもやっている制作会社
これは結構当たり前っちゃ当たり前ですね。
あなたは印刷物に関してはすでに即戦力です。そこからWebのデザインもやれる会社を見つけましょう。
さらに、Webデザインのスクールに通わせてくれる会社などもたまにあります。安心して今までのスキルを活かしつつ、会社公認で新しいチャレンジができます。
まずスタートするには最適。
しかしデメリットとしては、他に紹介する会社より、仕事時間が長くなりがち、かつ給料が低めなことです。
オススメな会社の種類その2:エンジニア先行でデザイナーが取れていないスタートアップの会社
Webサービスなどのスタートアップは、まずはエンジニアを採用してサービスが使える状態になることを優先させることが多いです。
デザインを後回しにしていたので、ユーザーが増えてきて、そろそろデザイナーがほしいというフェーズの会社があります。
先程のオススメ1の会社より少し難易度は上がりますが、このような会社は下記のような特徴があります。
- 有名なデザイナーは、知名度が無いため採りづらい
- 実力より、やる気を採用する
- 名刺、広報やプレスリリースなどのプレゼン資料のビジュアルを整える人がいない
特に3番目の特徴は、すでに印刷物を作っているあなたのスキルが即活かせます。そして、第1号目のデザイナーとして会社を作っていく楽しさもあります。
2番目の特徴には、先程の真似っ子ポートフォリオが効きます。一工夫して自分の道を切り開こうとしているのが、こういった会社には好かれます。なぜなら、スタートアップは会社が0からスタートしているので、すべての業務を自分で切り開いていく必要が有るからです。
ただ、逆を言うと、職人気質でデザインにだけこだわりたいタイプの方にはあまりオススメしません。デザイン以外の仕事が多いからです。
オススメな会社の種類その3:インハウスでデザイナーを必要としている一般企業
一般企業の中にデザインの部署を持っている会社があります。社内要望を聞いてWebサイトや販促物などのデザインを行います。
印刷物の知識も活かせますし、納期も他と比べて調整しやすいので、残業などが少ない会社が多いです。
そしてなんと言っても、大きい一般会社になると制作系の会社より給料が高くなります。制作系の企業は作ってなんぼの世界ですが、一般の大企業のほうは制作以外のところで収入源が安定して余裕があります。
デメリットとしては、縦割り社会で社内政治がなかなか根強い会社が多かったり、運用系の仕事が多くやりがいを感じにくい仕事が多いところです。
ぶっちゃけ、オススメの企業は?
人によってメリット・デメリットがあります。実は自分は今まで5社経験し、上記のすべての会社を経験しています。
- 1社目:印刷とWebの制作会社
- 2社目:Web制作のフリーランス
- 3社目:超有名Web制作会社
- 4社目:一般大企業でインハウスのWeb制作
- 5社目:Webサービスのスタートアップ <-今ココ
これらは自分の成長やライフスタイルの変化によって会社を変えてきました。詳しくは別の記事で書きたいと思いますが、正直それぞれメリット・デメリットがあります。
その中で、選ぶ一番のポイントしては自分がより成長できる環境であることです。そして、次にライフスタイルにいい影響を与えるところ。
この辺のバランスが難しいですが、成長を目指しすぎてライフスタイルを犠牲にすると、特に家族持ちなどだと結構きつくなります。
もし、あなたが20代なら、ある程度ライフスタイルを少し犠牲にしてもハードな経験をしてみるのもありです。30代がぐっと楽になります。(自分がそうでした)
自分の成長とライフワークバランスの折り合いがいい感じのところを選びましょう。(希望通りのバランスになるのは、なかなか難しいですが。)
【まとめ】印刷系のデザイナーは一工夫して大量に会社を回るべし
今回の内容をまとめると、
- 最新デザインツールで他に差をつける真似っ子ポートフォリオ作ろう
- デザイナーについて知り、自分にあったデザイナーを選ぼう
- 自分に成長とライフスタイルバランスに合った系統の会社を狙おう
と、3つのポイントを書きました。
あなたに良い会社が見つかりますように。
他の記事では、デザイナー向けの転職サイトについて書いてみようと思います。
では、まったね〜!(^_^)/~
コメント